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はじめに
家庭菜園やガーデニングの中で、じわじわと人気が高まっている「ルバーブ」。
独特な酸味と美しい赤い茎が特徴のこの植物は、ジャムやパイなどのお菓子作りにも重宝される多年草です。
しかし、ルバーブを元気に育てるためには、単独で植えるだけでなく「コンパニオンプランツ(共栄植物)」の考え方を取り入れることで、より健康的で実り豊かな成長が期待できます。
ルバーブとは?
ルバーブ(英名:Rhubarb)は、タデ科の多年草で、見た目はフキに似ていますが、葉は有毒で食べられません。
食用になるのは茎の部分で、甘酸っぱさが特徴。
耐寒性が強く、適切な場所に植えれば5年〜10年にわたって収穫できるため、初心者にも扱いやすい植物です。
コンパニオンプランツとは?
コンパニオンプランツとは、一緒に植えることで互いに良い影響を与える植物の組み合わせのことです。
例えば、ある植物が害虫を遠ざける一方、もう一方が土壌の栄養バランスを整えるなど、それぞれの性質を活かして共存させるテクニックです。
化学肥料や農薬に頼らない自然な栽培方法として、近年注目を集めています。
なぜルバーブにコンパニオンプランツが重要なのか
ルバーブは比較的丈夫な植物ですが、長期間同じ場所に植えるため、病害虫のリスクや土壌疲労といった問題に直面することもあります。
そこで、相性の良い植物を近くに植えることで、以下のようなメリットが期待できます:
害虫の予防
病気のリスク軽減
土壌環境の改善
成長の促進
このブログ記事では、ルバーブと特に相性の良いコンパニオンプランツや、逆に避けるべき植物、実際の植え方まで詳しく解説していきます。
第1章:ルバーブの基本的な栽培条件
ルバーブは比較的手がかからない植物ですが、栽培に適した環境を整えることで、より元気に育ち、長期間の収穫を楽しむことができます。
まずは、ルバーブの栽培に必要な基本条件を確認しましょう。
土壌条件:水はけが良く、有機質に富んだ土
ルバーブは根を深く張る植物なので、水はけが良く、栄養分の多い土壌を好みます。特に重要なのは以下の2点です。
pH6.0〜6.8の弱酸性〜中性の土壌
腐葉土や堆肥を混ぜた柔らかい土
植え付けの前には、土に十分な堆肥を混ぜ込んで、栄養たっぷりの環境を作ってあげましょう。
日照条件:日当たりの良い場所
ルバーブは日光を好む植物です。特に、1日6時間以上の日照を確保できる場所が理想です。半日陰でも育ちますが、茎の成長が遅くなり、細くなる傾向があります。
水やり:乾燥させすぎないよう注意
ルバーブは乾燥に弱いため、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えることが大切です。ただし、過湿になりすぎると根腐れを起こす恐れもあるので、排水性の良い土と適度な水やりがポイントです。
梅雨や長雨の時期は、水やりを控えめに
夏場の乾燥時期は朝晩の2回水やりをするのが理想
病害虫対策:ナメクジとアブラムシに注意
ルバーブは比較的病害虫に強い植物ですが、以下のようなリスクには注意が必要です。
| 害虫・病気 | 症状 | 対策方法 |
|---|---|---|
| ナメクジ | 若い葉や茎を食べる | 木灰やコーヒーかすで防御 |
| アブラムシ | 茎や葉に群がって汁を吸う | コンパニオンプランツで予防 |
| うどんこ病 | 白い粉のようなカビが葉に発生する | 風通しの良い環境を整える |
こうした問題に対しても、後述するコンパニオンプランツが自然な対策として有効です。
第2章:ルバーブと相性の良いコンパニオンプランツ
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ルバーブの栽培において、相性の良い植物を一緒に植えることで、病害虫のリスクを軽減し、成長を助けることができます。
ここでは、特におすすめのコンパニオンプランツをカテゴリ別に紹介します。
1. キャベツ科植物(例:ブロッコリー、ケール)
キャベツ科の植物は、ルバーブの根元に潜む害虫を遠ざける効果があるとされています。
特におすすめなのがブロッコリーやケールです。
効果:土中のセンチュウ類や葉につく害虫を忌避
相乗効果:キャベツ科植物が根を張ることで、土壌の通気性も良くなる
注意点:同じ病気(根こぶ病など)にかかりやすいため、過密にしすぎないこと
2. ネギ属(例:チャイブ、ニラ、玉ねぎ)
ネギ属の植物は、強い香りでアブラムシやコガネムシを遠ざける天然の虫除けになります。特にチャイブは、ルバーブの成長を助ける相性抜群のパートナーです。
効果:アブラムシ・コガネムシの予防
相乗効果:ネギ類の根が抗菌性を持ち、土壌環境を整える
栽培のしやすさ:多年草でルバーブと同じように年単位で育てやすい
3. ハーブ類(例:ミント、カモミール、バジル)
ハーブ類は、その芳香成分で害虫を寄せ付けず、また病気を抑える効果が期待できます。
ミント
強い香りでアリやアブラムシを遠ざける
ただし、繁殖力が強いため、鉢植えで根の侵入を防ぐのが理想
カモミール
ルバーブの風味を良くする効果があるとされ、「プラントドクター(植物の医者)」とも呼ばれる
土壌中の微生物を活性化させ、根腐れ予防にも有効
バジル
アブラムシ、ハダニ、コナジラミなどに効果的
香りが強く、トマトなどの夏野菜とも相性がよいため、他の植物との連作にも便利
4. 花類(例:マリーゴールド、ナスタチウム)
一見関係なさそうに思える花も、コンパニオンプランツとしてとても有効です。
マリーゴールド
土中のセンチュウを防ぐ効果あり
花が咲くことで、受粉を助ける昆虫を引き寄せる効果も期待できる
ナスタチウム
アブラムシの“おとり”として機能(アブラムシが好んで集まる)
鮮やかな花で菜園を彩り、観賞性もアップ
これらのコンパニオンプランツを上手に組み合わせることで、ルバーブはより健康に、美味しく育ちます。次章では、逆に「一緒に植えてはいけない植物」について詳しく見ていきます。
第3章:一緒に植えてはいけない植物
コンパニオンプランツには「相性の良い植物」がある一方で、ルバーブと一緒に植えるとトラブルを招く植物も存在します。
これらの植物は、ルバーブの成長を妨げたり、病害虫のリスクを高めたりするため、避けることが大切です。
以下に、ルバーブと相性の悪い代表的な植物を紹介します。
1. インゲン豆(マメ科植物)
インゲン豆は根に共生するバクテリア(根粒菌)によって窒素固定を行う植物で、一般的には土壌改良に役立つとされますが、ルバーブとは相性が悪いとされています。
理由:ルバーブの根が深く張るのに対し、インゲンの根が浅く、栄養の取り合いが起こる可能性があります。
影響:ルバーブの茎が細くなり、生育が鈍る傾向
補足:インゲンを植える場合は、少なくとも30cm以上離すのが無難です。
2. トマト(ナス科植物)
トマトは多くの野菜と相性が良いことで知られていますが、ルバーブとの組み合わせはおすすめできません。
理由:
トマトは高温と乾燥を好むのに対し、ルバーブは冷涼な気候と湿度を好むため、育成環境が大きく異なる
同じ病気(疫病・うどんこ病)に感染しやすい
影響:ルバーブが病気にかかりやすくなる、トマトも成長が抑制される
3. スイバ(雑草の一種)
ルバーブと同じタデ科のスイバ(英名:sorrel)は、見た目が似ており、同じような土壌を好みますが、競合しやすいため避けるべきです。
理由:
同じ栄養素を奪い合う
根の拡張でルバーブの根が弱る
対策:周囲にスイバが自生している場合は早めに取り除くことが重要です
4. 他の大型多年草(例:ルバーブ同士、アーティチョークなど)
ルバーブは一株で非常に大きく育つため、近くに他の大型植物を植えると、日照や水分を奪い合うことになります。
影響:お互いの生育が不安定に
対策:ルバーブは株間を60cm〜1m以上空けて植えるのが理想
注意点:相性の悪さは「距離」で解決できる場合もある
一緒に植えてはいけない植物であっても、適切な距離をとれば共存可能なケースもあります。
例えば、コンテナやプランターを使って高さを変える、畝(うね)を別にする、といった工夫でトラブルを防げます。
2. コンパニオンプランツの配置例
ルバーブはとても大きく育つため、周囲に背丈の低い植物を中心に配置するのがポイントです。
おすすめ配置
中央にルバーブを配置
香りの強いハーブ(ミント・バジル)や花(ナスタチウム・マリーゴールド)を外周に配置
ネギ類・チャイブなどの虫除け植物を近距離に
※ミントは地下茎で広がりすぎるため、鉢植えでの管理が推奨されます。
3. 作業のスケジュールと管理方法
春(3〜5月)
ルバーブとコンパニオンプランツの植え付け
元肥として堆肥や有機肥料を土に混ぜ込む
夏(6〜8月)
水切れに注意して朝か夕方にたっぷり水やり
コンパニオンプランツが虫除け効果を発揮
雑草の除去と風通しの確保を心がける
秋(9〜11月)
茎が固くなり始めたら収穫終了
地上部が枯れたらカット、越冬準備
根はそのまま残し、株元に腐葉土や藁でマルチング
冬(12〜2月)
基本的には休眠期。マルチングの補充で保温
プランター植えなら寒冷地では屋内に移動するのも可
4. コンパニオンプランツの管理ポイント
| 植物名 | 管理のポイント | 役割 |
|---|---|---|
| チャイブ | 数年使える多年草。株が混み合ったら株分け。 | アブラムシ対策、根の抗菌効果 |
| ミント | 鉢植え推奨。定期的に刈り込む。 | 強力な虫除け、香り効果 |
| ナスタチウム | こぼれ種で増える。過密に注意。 | アブラムシの“おとり”植物 |
| カモミール | 自然に広がる。花を収穫すればハーブティーにも。 | 病気予防、風味アップ |
| マリーゴールド | 毎年植え直し。花がら摘みで長く咲かせる。 | 土壌病害の予防、害虫忌避 |
5. より効果を高めるためのコツ
混植は計画的に:植物の背丈・根張り・香りの強さを考慮してバランスよく配置
風通しを確保:コンパニオンプランツが混み合うと逆効果。間引きを忘れずに
連作障害に注意:同じ場所に毎年植えると土が疲れるので、数年に一度は場所を変えるか、土を入れ替える
まとめ:ルバーブのコンパニオンプランツ・効果的な組み合わせと育て方
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ルバーブは見た目にも美しく、料理にも使える魅力的な多年草ですが、長く元気に育てるためには、コンパニオンプランツとの組み合わせが非常に重要です。
本記事では、ルバーブ栽培における基礎知識から、相性の良い植物・悪い植物、さらに実践的な育て方まで詳しく紹介してきました。ここで改めてポイントを振り返ります。
✅ 相性の良いコンパニオンプランツ
ネギ類(チャイブ、ニラ):虫除け・病気予防に効果的
ハーブ類(ミント、カモミール、バジル):香りによる忌避効果、風味向上、土壌改善
キャベツ科野菜(ブロッコリー、ケール):害虫忌避、土壌改良
花類(マリーゴールド、ナスタチウム):センチュウ抑制やアブラムシ対策に有効
❌ 一緒に植えてはいけない植物
インゲン豆:栄養の奪い合いによる生育不良
トマト:気候条件や病気の相性が悪い
スイバや大型多年草:根の競合や生育スペースの奪い合い
🌱 家庭菜園での育て方のポイント
株間をしっかり空けて風通しを確保
ミントは鉢植え管理で広がりすぎを防止
春〜秋の水管理・間引き・病害虫対策を継続的に行う
コンパニオンプランツを季節ごとに入れ替えることで、菜園の循環が良くなる
ルバーブと相性の良い植物を上手に選び、自然な形でお互いを助け合う環境を作ることで、化学肥料や農薬に頼らずに健康でおいしい野菜作りが実現できます。
「コンパニオンプランツ」は、自然との調和を大切にするガーデニングの知恵。ぜひあなたの菜園にも取り入れてみてください。
ミントと育てるコンパニオンプランツの相性と組み合わせ早見ガイド

