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疑問を解決!ささげ栽培と摘心のコツや注意点を徹底解説

家庭菜園で人気のある「ささげ」ですが、つる性の特性を活かして上手に育てるには、摘心(てきしん)という作業がとても重要です。

「ささげ 栽培 摘心」と検索する方の多くは、どのタイミングで摘心をすればいいのか、また本当に必要なのかといった疑問をお持ちではないでしょうか。

本記事では、ささげ栽培を成功させるために欠かせない「摘心」の基本から具体的な手順、品種ごとの違いや注意点まで、わかりやすく徹底解説していきます。摘心を正しく行うことで収穫量のアップや病害虫の予防にもつながりますので、これからささげを育てたい方、よりよい実りを目指したい方はぜひ参考にしてください。

ささげ オススメ料理

♧摘心の目的と栽培への効果
♧摘心を行う適切なタイミング
♧品種ごとの摘心の必要性の違い
♧摘心の具体的なやり方と注意点
♧摘心後の管理方法とトラブル回避策
green LABO

ささげ栽培と摘心を成功させる基本

♧ささげ栽培と摘心の関係を理解しよう
♧赤飯用ささげの特徴と育て方の違い
♧種まき時期とその後の管理が成長を左右する
♧摘心のベストタイミングとその効果とは
♧摘心を失敗しないための注意点

ささげ栽培と摘心の関係を理解しよう

ささげはつる性のマメ科植物で、家庭菜園でも比較的育てやすい作物です。しかし、より多くの収穫量を確保したい場合には「摘心(てきしん)」の作業が重要になります。摘心とは、つるの先端部分をカットして脇芽の成長を促す作業のことで、これにより株全体がバランスよく成長し、花付きや実付きが向上しやすくなります。

ささげの品種によって摘心の必要性には差があります。つるが長く伸びる「つるあり品種」では摘心が効果的ですが、矮性(わいせい)品種や「だるまささげ」のような草丈が低いタイプでは摘心は基本的に不要です。

家庭菜園で人気の「赤飯用ささげ」はつる性であるため、摘心による枝分かれが実の収量増加に寄与します。

摘心の目的は、単に枝を増やすことではなく、花芽がつく位置を増やすことにあります。ささげは主につるの中間から上部にかけて花をつけるため、脇芽が増えることで開花ポイントが増加し、最終的な収穫量が安定するのです。

また、風通しが良くなることで病害虫のリスクも軽減されるというメリットもあります。

ただし、摘心を行う時期やタイミングが悪いと、逆に株の生育を妨げる恐れがあるため注意が必要です。本葉が5〜6枚展開した時点で行うのが目安で、それ以前にカットすると根の成長が追いつかず、全体のバランスが崩れることがあります。

このように、ささげの摘心は栽培の成功を左右する大切なポイントです。初めての方でも、成長の様子を見ながら丁寧に作業すれば、十分に収穫量アップが期待できます。

【ささげ栽培の主要ポイント比較表】

項目一般的なささげ赤飯用ささげだるまささげ
栽培スタイルつる性(支柱必要)つる性(支柱必要)矮性(支柱不要)
摘心の必要性必要(本葉5〜6枚時)必要(収量増加に効果)不要(自然に分枝)
支柱の使用必須(合掌式やX型が有効)必須(つるが長く伸びる)基本不要(風よけ対策程度)
種まき時期5月中旬〜6月上旬5月中旬〜6月上旬5月中旬〜6月上旬
主な用途若莢や豆類全般赤飯など煮豆用赤飯・料理全般
収穫のタイミング若莢:ふくらみ始め/豆:完熟豆:完熟乾燥時若莢・豆どちらも対応
管理の難易度中〜やや高めやや高め(繊細な管理)初心者向き(省管理)

赤飯用ささげの特徴と育て方の違い

赤飯用ささげは、煮崩れしにくい特徴を持つ特別な品種で、小豆の代用品として日本料理で重宝されています。特にお祝い事の席では欠かせない存在で、煮ても皮が割れにくく、色移りも良いため、見た目や食感にこだわる和食では根強い人気があります。

一般的な食用ささげに比べて、赤飯用ささげはやや小ぶりな実をつけるのが特徴で、味わいも引き締まっているのが特徴です。

栽培面では、つる性である点は共通していますが、赤飯用ささげは特に気温の影響を受けやすいため、種まきのタイミングや日当たりの管理が重要です。種まきは5月中旬から6月上旬が適期とされ、気温が安定しない早春に播種すると、発芽不良や生育遅れが起こりやすくなります。

また、赤飯用品種は実の成熟を均一に保ちにくいため、収穫のタイミングを見極めることも大切です。

通常のささげよりも繊細なため、水はけのよい土壌が求められます。粘土質や湿気の多い場所では根腐れの原因になりやすいため、高畝にするなど排水性を意識した畝立てが効果的です。追肥も控えめに行い、過剰な窒素はつるばかりを伸ばして実がつきにくくなるため注意しましょう。

また、赤飯用ささげは摘心や支柱立てといった管理作業が重要になります。脇芽を伸ばして実を多くつけるためには、摘心が不可欠ですし、つるが絡みやすい支柱の設置位置にも工夫が求められます。

このように、赤飯用ささげは一般のささげと比べて栽培の手間はやや増えるものの、上手に育てることで豊かな風味と美しい赤飯が作れる魅力的な作物です。

種まき時期とその後の管理が成長を左右する

ささげの栽培を成功させるには、種まきの時期を正確に把握し、適切な管理を行うことが何よりも大切です。ささげは高温を好む作物であるため、気温が20℃を超えるようになってから種をまくのが基本です。

地域差はありますが、多くの地域で5月中旬から6月上旬が種まきの適期とされています。これより早く種をまくと、低温障害により発芽率が落ちたり、成長が鈍くなってしまう可能性があります。

特に家庭菜園では、発芽までの気温管理が難しいこともあるため、地温が十分に上がるまで待つことが重要です。無理に早播きすると、土中で種が腐るなどのトラブルも起きやすくなるため、気温の安定を見極めてから作業に入るようにしましょう。

また、種をまく際は1か所に2~3粒ずつまき、発芽後に元気な1本を残して間引く方法が一般的です。こうすることで、競合を避けて一本立ちの健全な苗に育ちやすくなります。条間は60〜70cm、株間は30cmほどが目安で、風通しと日照を確保するためにも余裕を持った植え付けを心がけましょう。

発芽後は、本葉が展開してくる時期に合わせて支柱を立てる準備をしておくとスムーズです。また、発芽直後の苗はアブラムシなどの害虫に狙われやすいため、防虫ネットの活用もおすすめです。乾燥が続くと発芽が遅れることもあるので、土の表面が乾いたら軽く水やりをして湿り気を保つことも大切です。

このように、適切な時期に種をまき、初期管理を丁寧に行うことが、その後のささげ栽培全体の成否を大きく左右します。はじめのステップを慎重に進めることで、収穫期まで順調に育てることができます。

【ささげの種まき~初期管理の流れとポイント表】

栽培ステージ時期の目安作業内容・ポイント
種まき前準備5月上旬〜中旬地温20℃以上を確認/日当たり・水はけ良好な場所を選ぶ/土に緩効性肥料を混ぜておく
種まき5月中旬〜6月上旬1か所に2〜3粒まき、覆土1〜2cm/株間30cm・条間60〜70cm/水やり後は防虫ネットで保護
発芽〜間引き播種後7〜10日目本葉1〜2枚で間引き/丈夫な1本を残す/過湿に注意し、土の表面が乾いたら水やり
本葉展開〜支柱準備本葉3〜4枚の頃(播種後2〜3週間)支柱設置/つるが伸びる前に支柱を立てると誘引がしやすくなる
摘心準備本葉5〜6枚の頃摘心を検討/タイミングが早すぎると株が弱り、遅すぎると枝分かれが減る

摘心のベストタイミングとその効果とは

ささげの摘心は、収穫量を増やし、株の健康を維持するために欠かせない作業です。摘心とは、主茎の先端を切り取ることで、植物に「もう一度枝を伸ばさなければ」という信号を与える行為で、側枝の発生を促す役割があります。これにより、花のつくポイントが増え、実の数が増加しやすくなるのです。

ベストな摘心のタイミングは、本葉が5〜6枚程度展開した頃が目安です。この時期を逃すと、主茎が伸びすぎて枝分かれが少なくなり、収穫できるさやの数も減ってしまう可能性があります。逆に早すぎる摘心は、根の成長が追いつかず、株全体が弱ってしまうため注意が必要です。

タイミングが合えば、摘心後1〜2週間ほどで脇芽が伸び始め、全体がふんわりと広がるように育ちます。

また、摘心には風通しを良くする効果もあります。ささげはつる性で葉が茂りやすいため、枝数が増えると湿気がこもりやすくなります。しかし、摘心によってバランスよく成長した株は風通しが改善され、うどんこ病やアブラムシなどの病害虫被害を防ぐ効果も期待できます。

さらに、摘心によって高さが抑えられることで、支柱が倒れにくくなるという利点もあります。特に家庭菜園では、強風や雨による倒伏を防ぐことは重要な課題です。適切な時期に摘心を行うことで、株全体がどっしりと安定し、栽培管理もぐんと楽になるでしょう。

ただし、摘心後は肥料や水の管理にも気を配る必要があります。急激に枝数が増えるため、根にかかる負担も増大します。そのため、施肥は控えめにし、葉色を見ながら調整するのがポイントです。

このように、ささげ栽培における摘心は「いつ」「どのように」行うかによって効果が大きく変わるため、成長の様子をしっかり観察しながら丁寧に進めることが大切です。

摘心を失敗しないための注意点

ささげの摘心は簡単そうに見えて、意外とミスをしやすい作業です。失敗すると成長が止まったり、収穫量が激減したりする可能性もあるため、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。

まず、摘心のタイミングを間違えないことが最優先です。前述の通り、本葉が5〜6枚ほどになった時期が目安ですが、まだ苗が小さいうちに摘んでしまうと、根が十分に発達しておらず、株の回復力が弱くなります。

その結果、脇芽が思うように伸びず、全体的な成長が鈍化してしまいます。反対に、つるが伸びきってからでは側枝の発生が限定的になり、収穫量が増えないという問題が起こります。

また、切る位置にも注意が必要です。摘心は単に先端を切れば良いわけではなく、節のすぐ上をハサミで斜めにカットするのが基本です。清潔なハサミを使い、傷口がなるべく小さくなるようにすると、病気の感染リスクを抑えることができます。

特に雨の前後や湿度が高い日は避け、晴れた日の午前中に行うのが理想的です。

摘心後の管理も見落とせません。脇芽が出始めたら、その成長を助けるために軽く追肥を行うことが効果的ですが、窒素過多になると葉ばかり茂って実がつかなくなるため、肥料の量は控えめに調整します。

さらに、摘心直後の株は一時的に弱るため、風が強い日や日差しが強すぎる日には、寒冷紗などで株を保護すると安心です。

摘心の失敗でよくあるのが、「必要以上に何度も摘んでしまう」ケースです。一度適切に摘心すれば、あとは脇芽の管理を中心に行えば十分です。無理に何度も先端をカットすると、エネルギーが分散してしまい、花が咲きにくくなってしまいます。

ささげ栽培での摘心以外の注意点

♧支柱を立てるタイミングと安定させるコツ
♧害虫の種類と安全に防除する方法
♧収穫時期の見極め方と保存のポイント
♧収穫後の乾燥方法で品質が決まる理由
♧プランターでも上手に栽培するコツ
♧だるまささげの特徴と育て方の違い
♧まとめ

支柱を立てるタイミングと安定させるコツ

ささげはつる性の植物であるため、支柱を立てる作業は栽培の中でも特に重要な工程になります。支柱が不十分だと、つるが倒れて日当たりや風通しが悪くなり、生育や収穫に大きな影響を与えてしまいます。

逆に、しっかりと支柱を設置できれば、つるの誘引がしやすくなり、管理も格段に楽になるのです。

支柱を立てる最適なタイミングは、本葉が3〜4枚程度になった頃が目安です。この段階で支柱を立てておけば、つるが伸び始めたときにすぐに誘引ができ、ツルの絡まりを防げます。支柱が遅れると、ツルが地面を這ってしまい、支柱に誘導するのが難しくなるだけでなく、病害虫の被害リスクも高まってしまいます。

支柱の種類は、120〜150cm程度の竹や金属製の支柱が一般的です。まっすぐ垂直に立てるだけでなく、株間でX型にクロスさせたり、合掌式にして上部で結束する方法も安定性が高くおすすめです。

支柱が倒れるのを防ぐためには、深さ20〜30cmほど地中に差し込むことが大切で、風の強い地域では補強用の横棒を追加するとより安心です。

誘引の際には、つるを強く縛らずに、柔らかいビニールひもや園芸用テープでゆるく8の字に固定します。成長につれて太くなる茎を締め付けすぎないようにし、2〜3日に一度は様子を見て調整すると良いでしょう。

支柱を立てることで、全体の通気性や採光性が確保され、病気の予防にもつながります。また、つるが宙に浮いた状態になるため、収穫時に実を探しやすく、作業効率も大きく向上します。

このように、支柱の設置はただの補助ではなく、ささげを健康に育てるための“骨格”のような役割を果たします。しっかりとした支柱と適切なタイミングでの設置が、安定した栽培成功の第一歩となるでしょう。

【ささげ栽培における支柱設置のポイント比較表】

項目推奨内容・目安解説ポイント
支柱設置のタイミング本葉3〜4枚の頃(播種後2〜3週間)つるが伸び始める前に設置するとスムーズに誘引できる
支柱の長さ120〜150cm程度ささげの成長に十分対応できる高さ/風対策には深く埋めることが重要
支柱の形状直立式/X型/合掌式(逆V字)X型・合掌式は安定感が高く、複数株をまとめて支えられる
土中への固定深さ20〜30cm浅いと風で倒れやすいため、しっかり差し込んで安定させる
安定性を高める工夫横棒での補強/麻ひも・園芸テープによる連結強風対策に有効/支柱同士を結ぶことで構造全体がしっかり固定される
誘引の際の注意点ゆるく8の字に留める/柔らかい素材を使用成長に合わせて調整しやすく、茎を傷つけにくい

害虫の種類と安全に防除する方法

ささげ栽培では、さまざまな害虫が発生することがあり、とくに初期の苗や花がつき始めた頃に被害を受けやすいのが特徴です。代表的な害虫には、アブラムシ、ハモグリバエ(エカキムシ)、コナガ、マメシンクイガなどが挙げられます。

これらは葉や茎、時には莢(さや)そのものを加害し、生育の停滞や収穫量の減少を招くため、早めの対応が求められます。

まず、最もよく見られるのがアブラムシです。群生して新芽に集まり、汁を吸うことで株を弱らせるだけでなく、ウイルス病の媒介者にもなるため非常に厄介です。

農薬を使いたくない場合は、黄色の粘着トラップ木酢液の希釈スプレーを利用すると、ある程度の防除が可能です。自然素材を使いたい方には、ニンニクや唐辛子を浸けた自家製スプレーも有効です。

ハモグリバエは葉の内部に潜り込んで白い筋状の跡を残します。放置すると光合成に支障が出るため、被害葉は早めに切り取り、株元で処分するのがベストです。コナガやマメシンクイガといった蛾の仲間は、幼虫が莢の中に侵入して中身を食害することもあります。

これらの予防には防虫ネットの設置が非常に効果的で、物理的に害虫を近づけない対策が基本となります。

また、成長段階に合わせた見回りも欠かせません。週に2〜3回は株の裏側や新芽周辺をチェックし、害虫の初期段階での発見が被害拡大を防ぐカギです。発生が多くなった場合でも、できるだけ選択性の高い低毒性農薬(例えばBT剤や天然由来成分のスプレー)を使用することで、他の益虫への影響を抑えることができます。

なお、防除を考える際は「予防重視」の姿勢が大切です。株間を広めにとって風通しを良くする、適度な追肥で健全な成長を促す、雨後は葉の乾燥を早めるために株元に敷き藁を敷くなど、日々の管理で害虫の住みにくい環境を作ることが重要になります。

このように、害虫対策は「発生してから対応」ではなく、「発生しにくい環境づくり」が基本です。正しい知識とこまめな観察が、農薬に頼らずに安全なささげ栽培を続けるコツとなります。

収穫時期の見極め方と保存のポイント

ささげの収穫は、適切な時期を逃すと豆が硬くなったり、風味が落ちてしまうため、見極めがとても重要です。収穫のタイミングは、用途によって変わります。若莢(さや)を食べる目的であれば、莢が膨らみ始めてから種子がまだ柔らかい段階がベストです。

一方、乾燥豆として使用する場合は、莢がしっかり乾燥し、カラカラと音がするほど完熟したタイミングを見計らう必要があります。

若莢として収穫する際は、莢の長さが15〜20cmになったあたりが最も食味が良いとされます。莢が濃い緑色でツヤがある状態を見逃さないようにしましょう。指で軽く触れてみて、張りがあり、ふっくらとした感触があれば収穫に適しています。遅れると筋張って硬くなり、食感が悪くなってしまいます。

乾燥豆用の収穫では、莢の色が褐色または淡黄色に変化し、乾燥が進んで中の豆が振ると音を立てるくらいが目安です。雨が多い時期にはカビの原因にもなるため、完熟を待たずにある程度乾燥が進んだ段階で収穫し、風通しの良い場所で追乾燥させる方法もあります。

収穫後の保存にもポイントがあります。若莢の場合は収穫後すぐに冷蔵庫に入れて保存し、できるだけ2〜3日以内に食べるのが理想です。長期保存する場合は軽く茹でてから冷凍保存するのがおすすめです。

乾燥豆は、完全に水分を抜いた状態で密閉容器に入れ、直射日光を避けた冷暗所で保管すれば、半年以上は品質を保てます。

また、収穫した豆を長く楽しむために、保存前には虫食いや割れのある豆を取り除く作業も忘れずに行いましょう。特に無農薬栽培では、小さな虫が混入している可能性もあるため、冷凍庫で数日間凍結してから保存するという方法も有効です。

このように、収穫のタイミングとその後の管理を丁寧に行うことで、ささげ本来の美味しさと栄養を長く楽しむことが可能になります。家庭菜園で手塩にかけたささげだからこそ、最後までしっかり品質を保ちたいですね。

収穫後の乾燥方法で品質が決まる理由

ささげの栽培において、収穫後の乾燥作業は品質を左右する極めて重要なステップです。とくに赤飯用など乾燥豆として利用する場合、正しく乾燥させることで、風味、色合い、保存性すべてが大きく向上します。

反対に、乾燥が不十分だと、カビの発生や変色、風味の劣化につながり、せっかく育てた豆が台無しになってしまうこともあります。

まず、収穫のタイミングですが、莢が自然に茶色くなり、乾燥してパリパリと音を立てるようになったら収穫の合図です。ただし、雨が続くと乾きにくくなるため、天候を見て早めに収穫し、追乾燥を行うのが安全策です。

収穫した莢は、風通しが良く、直射日光の当たらない場所で吊るす、または広げて自然乾燥させます。気温が高く湿度の低い環境が最適ですが、家庭では室内の軒下やベランダ、またはネットを使った干し台が便利です。

乾燥期間はおおよそ1週間から10日程度。莢が十分に乾燥したら、中の豆を取り出します。この段階でも豆の内部にわずかな水分が残っている可能性があるため、さらに1〜2日、豆だけを広げて乾燥させる「二次乾燥」を行うと、保存中のカビリスクを大幅に下げることができます。

乾燥状態を確認するには、豆を軽くかじってみるか、割ったときに中まで硬く乾いているかをチェックしましょう。また、しっかり乾燥された豆は軽く、色も均一でツヤがあります。未乾燥の豆は見た目がくすみがちで、保存時に虫が発生しやすいため、注意が必要です。

乾燥後の保存は、密閉容器に入れて冷暗所で管理します。高温多湿を避ければ半年以上は品質を保つことができますが、冷凍庫で保管すると虫の発生を防げてさらに安心です。とくに無農薬で育てた豆は虫に狙われやすいため、乾燥後すぐに1週間ほど冷凍してから常温保存する「冷凍処理」もおすすめです。

このように、乾燥の仕方ひとつで、ささげの品質や保存期間、調理時の仕上がりまで変わってきます。最後まで丁寧な手入れを心がけて、家庭菜園の成果を長く楽しみましょう。

プランターでも上手に栽培するコツ

ささげは地植え向きのイメージがあるかもしれませんが、適切な環境を整えればプランターでも十分に栽培可能な作物です。特につる性の品種が多いため、スペースを縦に活用できるプランター栽培は、都市部の家庭菜園にもぴったりです。ここでは、成功するための具体的なコツをご紹介します。

まず、プランター選びが非常に重要です。ささげは根を深く張る性質があるため、深さ30cm以上・容量15L以上の大型プランターが理想的です。幅も広めのものを使うことで株間をしっかり確保でき、風通しの良い環境をつくることができます。

土は、市販の野菜用培養土でOKですが、排水性を重視するのがポイントです。底に鉢底石をしっかり敷いて、水が滞留しないように工夫しましょう。もし自作するなら、赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜたものに、緩効性肥料を少量加えるとよいです。

種まきは、地植えと同様に5月中旬〜6月上旬が適期です。1カ所に2〜3粒まいて、発芽後に元気な1本だけを残す「間引き」を行いましょう。つるが伸び始めるタイミングに合わせて、プランターに直接支柱を立てるか、突っ張り式のネット支柱を使って上へ誘引できるようにしておくことも重要です。

プランター栽培では、水分管理が特に難しくなります。土の量が限られているため、晴天続きの日には毎日水やりが必要になることもありますが、過湿にならないよう朝1回の水やりを基本とし、表面が乾いたのを確認してから追加するようにします。

さらに、肥料切れにも注意が必要です。成長が進むにつれて栄養を多く消費するため、花がつき始める頃に追肥として液体肥料を与えるのが効果的です。ただし与えすぎるとつるばかり育って実がならない原因になるので、パッケージの規定量を守るようにしましょう。

【ささげのプランター栽培ポイント早見表】

項目推奨内容・基準解説ポイント
プランターのサイズ深さ30cm以上・容量15L以上(横幅も広め)根がよく張るささげには十分な深さと広さが必要
使用する土市販の野菜用培養土/赤玉土7:腐葉土3の配合水はけ重視/鉢底石を入れて根腐れ防止
支柱の設置プランターに直接差す/突っ張り式ネット支柱も便利つる性品種の場合、伸び始める前に設置しておくとスムーズ
水やり頻度土の表面が乾いたら朝にたっぷり/日差しが強い日は毎日過湿に注意しながら、乾燥させすぎないことが大切
肥料管理元肥+花つき時期に液肥追肥(控えめ)窒素過多に注意/つるだけが伸びて実がならなくなるのを防ぐ
栽培に適した場所日当たり・風通しの良い場所/雨ざらしを避けるベランダなどでは鉢の向きや雨除けも意識する

だるまささげの特徴と育て方の違い

だるまささげは、一般的なささげとは異なり、草丈が低く、つるをあまり伸ばさないのが最大の特徴です。その名のとおりコンパクトな姿をしており、支柱やネットが不要で育てやすいため、家庭菜園初心者や省スペース栽培に最適な品種と言えます。

外見の特徴としては、莢(さや)が短くて太めで、中に入っている豆もふっくらと丸く、見た目にボリューム感があります。また、煮崩れしにくいことから赤飯用としても利用されることが多く、調理用途にも優れた品種です。味わいはほんのり甘みがあり、しっかりとした食感が特徴です。

育て方の違いとしては、まず支柱が必要ないという点が大きなメリットです。草丈が40〜60cm程度で止まるため、鉢植えやプランター栽培にも適しており、ベランダでも育てられるのが魅力です。ただし、倒伏しやすいため、強風が当たる場所では軽く支えるための簡易的な囲いを設けると安心です。

また、摘心の必要がない点も一般のつる性ささげと異なります。自然に脇芽が出て分枝してくる性質があるため、無理に手を加える必要がなく、栽培管理が非常にシンプルです。追肥も控えめで十分育ちますが、花がつく頃にリン酸系の肥料を軽く与えると実付きが安定します。

病害虫には比較的強い品種とされていますが、葉の密度が高くなりやすいため、通気性を保つために株間をやや広め(30cm程度)に取るのがポイントです。また、水はけのよい土壌を選ぶことで、根腐れの予防にもなります。

だるまささげは、省スペースで育てやすく、収穫までの手間も少ないため、初めての豆類栽培にぴったりの品種です。味と見た目の両方に満足できる一品を、ぜひ家庭で楽しんでみてください。

ささげ栽培と摘心のコツや注意点:まとめ

  • 摘心はつるの先端を切り脇芽の発生を促す作業である

  • つる性品種では摘心により花芽が増え収穫量が向上する

  • 矮性品種(例:だるまささげ)では摘心の必要はない

  • 摘心の適期は本葉が5〜6枚の頃が目安である

  • 早すぎる摘心は根の成長を妨げ株が弱る原因となる

  • 摘心後は1〜2週間で脇芽が伸び株がバランスよく広がる

  • 摘心により風通しが改善し病害虫の予防にも効果がある

  • 支柱が倒れにくくなり、株の安定性が高まる利点がある

  • 摘心後の過剰な追肥は葉ばかり茂って実がつかなくなる

  • 摘心は1回で十分であり、何度も行うと生育に悪影響が出る

  • ハサミは清潔なものを使い、節のすぐ上を斜めに切るのが基本

  • 摘心は晴れた日の午前中に行うと病気のリスクが低い

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