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【丁寧解説】里芋の収穫時期と方法をわかりやすく解説

里芋は煮物や汁物に欠かせない日本の伝統野菜ですが、「いつ収穫すればよいのか分からない」「掘るのが難しそう」と感じている家庭菜園初心者の方も多いのではないでしょうか。

収穫のタイミングを間違えると、せっかく育てた里芋が小さすぎたり、逆に霜にあたって傷んでしまったりすることもあります。

そこで本記事では、里芋の収穫時期の見極め方や地域ごとの目安、掘り方の手順、さらに収穫後の保存方法までを丁寧に解説します。

これから初めて収穫を迎える方でも、迷わず安心して美味しい里芋を収穫できるようになるはずです。

・里芋の収穫時期を見極める方法
・地域ごとの収穫期の違いとおおよそのスケジュール目安

・芋を傷つけずに行う収穫の正しい手順と道具の使い方
・掘り上げた後の保存方法と種芋として残すポイント
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いつが適期?里芋の収穫時期を見極めるポイント

里芋は収穫のタイミングを誤ると、実が小さすぎたり、霜にあたって保存できなくなったりするため、時期の見極めがとても大切です。

収穫の目安となるのは、葉や茎の様子、霜が降りる時期、そして植え付けからの日数など。

これらを正しく理解しておけば、初心者でも安心して収穫に臨めます。ここでは里芋の収穫時期を判断するためのポイントを解説します。

里芋の葉や茎で収穫時期を判断する方法

里芋の収穫適期を見極めるためには、葉や茎の状態を観察するのが最も分かりやすい方法です。

生育中の里芋は葉が青々と広がり、茎もしっかりと立ち上がっています。

しかし、収穫期が近づくと次第に葉が黄ばんで垂れ下がり、茎も徐々に枯れ込んできます。

特に、茎が半分以上枯れ始めた頃が収穫の合図とされており、このタイミングを逃さないことが重要です。

葉や茎の変化は、里芋が地下で十分に肥大しているサインでもあります。

もし早く掘ってしまうと芋の大きさが十分でなく、食味や保存性も低下してしまいます。

一方で、完全に葉が枯れてから長く放置すると、霜に当たって芋が傷むリスクが高まります。

そのため、葉や茎の変化を見ながら、気温や地域の気候も合わせて判断することが大切です。

以下に、葉や茎の状態と収穫適期の関係を表にまとめました。

葉や茎の状態収穫の目安注意点
葉が青々としているまだ収穫適期ではない芋が十分に肥大していない
葉が黄変し始める収穫時期が近い天候を見ながら数日〜1週間後が目安
茎が半分以上枯れる適期のサイン霜に当たる前に掘る
葉と茎が完全に枯れる収穫を急ぐ必要あり放置すると腐敗や凍害のリスク

このように、葉や茎の変化を日々観察することで、初心者でも収穫のタイミングをつかみやすくなります。

とくに秋口は天候の変化が大きいため、畑に足を運んで状態をチェックする習慣をつけておくと安心です。

地域ごとに異なる里芋の収穫時期の目安

里芋の収穫時期は、育てている地域の気候によって大きく異なります。

暖かい地域では成長が早く、比較的早い時期に収穫できますが、寒冷地では遅くまで成長が続くため、収穫のタイミングも遅くなります。

一般的に、沖縄や九州などの暖地では9月下旬から収穫が始まり、関東や東海地方では10月中旬頃から、東北地方では11月に入ってからが適期となります。

また、里芋の収穫は「霜が降りる前」が大切な目安です。

関東以南では11月下旬頃までに、東北地方では12月上旬までに収穫を終えるのが安全です。

霜に当たると芋が傷み、保存性も大きく低下するため、地域ごとの気候を踏まえて計画的に収穫を進めることが重要です。

以下に、地域別のおおよその収穫時期を表に整理しました。

地域収穫時期の目安補足ポイント
沖縄・九州・四国9月下旬〜11月下旬暖地では生育が早く、早掘りも可能
東海・関東10月中旬〜11月下旬台風や霜の影響に注意
東北11月初旬〜12月初旬霜の前に掘り上げることが必須

このように、同じ里芋でも地域によって収穫期は異なります。

そのため、植え付けからの日数や葉や茎の状態とあわせて判断することが失敗を防ぐコツです。

家庭菜園の場合は、気象情報を参考にして「初霜が降りる少し前」に掘り上げるようにすると安心です。

植え付けからの日数で見る里芋の収穫タイミング

里芋の収穫時期は葉や茎の状態だけでなく、植え付けからの日数を目安にする方法も有効です。

一般的に里芋は植え付けから 150〜180日後 に収穫適期を迎えるとされており、家庭菜園でもこの日数を参考にすれば収穫のタイミングを大きく外すことはありません。

例えば、5月に植え付けを行った場合は、10月下旬から11月にかけてが目安となります。

ただし、作型や栽培環境によって差が生じる点には注意が必要です。

促成栽培や暖地での栽培では、120〜150日程度で収穫可能な場合もあります。

一方、寒冷地では180日を超えても生育が続き、霜の時期と重なることもあるため、日数だけで判断するのは不十分です。

日数をあくまで「おおよその目安」として考え、葉の黄変や霜の予報と合わせて判断することが大切です。

以下に、植え付け時期と収穫時期の関係を整理しました。

植え付け時期収穫の目安日数収穫時期の目安
4月中旬約150〜180日9月下旬〜10月下旬
5月上旬約150〜180日10月下旬〜11月下旬
6月上旬約150〜180日11月下旬〜12月上旬

このように、日数を基準にすると計画的に収穫時期を予測できます。

特に初めて里芋を育てる人にとっては、カレンダーに「収穫予定日」を書き込んでおくと安心です。

ただし、実際の収穫判断は必ず葉や茎の状態とあわせて行うようにしましょう。

霜が降りる前に収穫すべき理由

里芋の収穫で特に注意すべきなのが「霜に当たる前に掘り上げる」という点です。

里芋は南方原産の作物で寒さに弱く、霜に当たると細胞が傷んで急速に劣化してしまいます。

その結果、食味が落ちるだけでなく、保存性が極端に悪くなり、収穫後すぐに腐敗が進むリスクが高まります。

実際、霜が降りた後の畑では「故障芋」と呼ばれる変色や腐敗を起こした芋が多く見られます。

これらは調理しても独特の風味が失われてしまい、家庭菜園の楽しみが半減してしまいます。

また、親芋から子芋を外す際にも傷みが進んでいると扱いづらく、保存や翌年の種芋用としても使えなくなります。

霜によるリスクを避けるためには、地域ごとの初霜の時期を把握し、少し余裕をもって収穫計画を立てることが重要です。

例えば関東地方では11月下旬、東北地方では11月上旬から中旬に初霜が観測されることが多いため、その直前までには掘り上げておくと安心です。

以下に、霜の影響と収穫タイミングの関係を表にまとめました。

状態里芋への影響適切な対応
霜が降りる前芋は健全に肥大収穫のベストタイミング
霜に一度当たった後芋の一部が傷み始めるすぐに収穫し利用を急ぐ
霜に繰り返し当たった後芋の腐敗・保存不可種芋にも不向き

このように、霜の影響は非常に大きく、収穫の成否を分ける要因になります。

したがって「葉が枯れ始めたら霜の予報を確認し、遅くとも初霜前に収穫する」ことが、家庭菜園で失敗しないための鉄則です。

早掘りや遅掘りで起こるトラブルについて

里芋は収穫のタイミングが難しく、早く掘りすぎても遅く掘りすぎてもトラブルが発生します。

適期を逃すとせっかく育てた芋の価値が下がってしまうため、初心者は特に注意が必要です。

まず「早掘り」の場合ですが、芋がまだ十分に肥大していないため収量が少なくなります。

さらに未熟な芋は水分が多く、食感も粉質に欠けるため調理しても美味しさが半減します。

また、未熟な状態で掘ると保存性が低下し、すぐに傷みやすいという欠点もあります。

一方で「遅掘り」にはまた別のリスクがあります。前述のように霜に当たると腐敗が進み、保存がきかなくなります。

さらに、畑に長く置きすぎると土壌の過湿や病気の影響を受け、芋が変色したり品質が低下したりすることもあります。

収穫適期を過ぎてしまうと、来年の種芋としての利用も難しくなります。

以下に、早掘りと遅掘りの代表的なトラブルを整理しました。

掘るタイミング主なトラブル具体的な影響
早掘り芋が小さい収量不足、食味が悪い
早掘り水分が多い保存性が低下、傷みやすい
遅掘り霜に当たる腐敗や低温障害で保存不可
遅掘り過湿や病気変色・品質低下、種芋不適

このように、里芋は「早すぎず遅すぎず」のタイミングを見極めることが大切です。

葉や茎の枯れ具合、植え付けからの日数、そして天候を総合的に判断して、最適な収穫時期を逃さないようにしましょう。

失敗しないための里芋収穫方法と注意点

収穫の時期が分かったら、次は実際の掘り方や注意点を知ることが重要です。

里芋は株を丸ごと掘り上げるため、少しコツが必要になります。

無理に掘ると子芋が外れて傷がつき、保存性が悪くなってしまうこともあります。

ここでは、初心者でも実践できる収穫の手順や道具の使い方、そして収穫後に気を付けたいポイントをわかりやすく紹介します。

里芋を株ごと掘り起こす基本の手順

里芋は株全体に子芋や孫芋が密集して付いているため、じゃがいものように一つずつ掘り出すのではなく、株ごと大きく掘り起こすのが基本です。

株を丸ごと丁寧に扱うことで、芋を傷つけずに収穫でき、保存性も高まります。

手順としては、まず収穫前に葉を切り落とし、地上に出ている茎を4〜5センチ残して刈り取ります。

次に、株の周囲30センチほど外側からくわやシャベルを差し込み、土を大きく持ち上げるようにして掘ります。

いきなり株の真横に道具を入れると芋を傷つけやすいため、必ず少し外側から掘り進めるのがポイントです。

掘り起こした株は、土を軽く払い落としてから子芋や孫芋を確認します。

子芋が外れやすい場合は無理に引っ張らず、株全体を持ち上げて慎重に扱うと良いでしょう。

大量に掘る場合、ビール瓶などで根元を軽くたたくと子芋が外れやすくなるという実用的な工夫もあります。

以下に、株ごと掘り起こす流れを整理しました。

手順作業内容注意点
① 葉の処理葉を切り落とし、茎を4〜5cm残す作業性を良くし、掘りやすくする
② 外側から掘る株の周囲30cmからくわを入れる芋を傷つけないため必須
③ 株を持ち上げる土ごと大きく持ち上げる子芋が外れないよう慎重に
④ 子芋を確認土を払い落とし、芋を確認無理に引っ張らない
⑤ 芋を外す必要に応じて軽くたたいて外す傷を付けないよう丁寧に扱う

この流れを守れば、初心者でも安心して収穫ができます。

特に「外側から掘る」「株を大きく持ち上げる」という2点を意識すれば、失敗はほとんどなくなるでしょう。

収穫前に行う葉や茎の刈り取り方法

里芋を掘り上げる前には、株の上部にある葉や茎を処理しておくことが大切です。

この作業を行うことで、掘り取りの効率が良くなり、芋を傷つけるリスクも減らせます。

特に家庭菜園初心者の場合は、この下準備をきちんとしておくことが収穫成功のポイントになります。

まずは、枯れかけた大きな葉を手で折り取るか、はさみで切り落とします。

その後、地際に残る茎(葉柄)を地上から4〜5センチほどの高さで切り揃えます。

このとき、根元からすべて切り落としてしまうと株を持ち上げにくくなるため、必ず持ち手として少し残しておくのがコツです。

葉や茎を処理することで、掘る際に道具が入りやすくなります。

また、掘り上げた後に茎をつかんで株を持ち上げられるため、子芋や孫芋が外れにくくなります。

特に湿った土では株が重くなるため、持ち手があることで作業が格段に楽になります。

以下に、葉や茎の処理方法を整理しました。

作業内容ポイントメリット
枯れ葉を取り除く手やはさみで除去作業スペースを確保
茎を4〜5cm残して刈る根元をすべて切らない株を持ちやすくなる
均等に切り揃える高さをそろえる掘り取り時に安定する

このように、収穫前に行うちょっとした処理で、後の作業効率や収穫後の扱いやすさが大きく変わります。

慣れてくると数分でできる作業なので、必ず実践しておくと良いでしょう。

くわやシャベルを使った効率的な掘り方

里芋の収穫では、手で掘るのは現実的ではなく、くわやシャベルを使うのが基本です。

ただし、道具の使い方を誤ると芋を傷つけてしまい、保存性が悪くなる原因になります。

効率よく、かつ丁寧に掘るためには、正しい使い方を知っておくことが大切です。

まず大切なのは「株の外側から掘り始める」という点です。

株のすぐ近くに道具を差し込むと子芋や孫芋を傷つけやすいため、30センチ程度外側の位置にくわやシャベルを入れます。

そして、土を手前に持ち上げるようにして少しずつ株の周囲を掘り進め、最後に株全体を持ち上げるようにすると安全です。

また、土が硬い場合は一度に深く差し込むのではなく、数回に分けて土をほぐすように掘ると効率が良くなります。

湿った土では芋がくっつきやすいため、軽く土を払いながら掘り進めるのもコツです。

大量に掘る際は、家庭用ならシャベル、畑規模なら大きめのくわを選ぶと作業効率が高まります。

以下に、道具の使い分けと特徴を表に整理しました。

道具特徴適した場面
シャベル持ちやすく操作が簡単家庭菜園・小規模の収穫
くわ土を大きく崩せる畑全体・株数が多い場合
スコップ深く掘りやすい土が硬い・深植えした場合

効率的な掘り方を心がけると、作業時間の短縮だけでなく、芋の傷みを防ぐことにもつながります。

特に初心者は「外側から少しずつ掘り、最後に株を持ち上げる」という流れを意識すれば、安心して収穫ができるでしょう。

芋を傷つけないための収穫のコツ

里芋は皮が薄くデリケートなため、収穫時に少しでも傷をつけると、そこから腐敗が進み保存できなくなってしまいます。

せっかくの収穫を長く楽しむためには、丁寧に扱い、芋を傷つけない工夫を心がけることが大切です。

まず大事なのは「株を丸ごと持ち上げる」という点です。

子芋や孫芋は親芋の周りに密集して付いているため、手で一つずつ外そうとすると無理な力がかかり傷みやすくなります。

掘り上げるときは、株ごと大きく持ち上げ、その後で丁寧に土を払いながら芋を外していくのが基本です。

次に、土を落とす際の扱い方にも注意が必要です。

強く叩いて土を落とすと皮が剥けやすくなるため、軽く手で払うか、やわらかい土なら株を振るだけで十分です。

また、大量に収穫する場合には、ビール瓶で根元を軽く叩く方法も知られていますが、あくまで力加減は控えめにし、芋を傷つけないようにします。

以下に、傷を防ぐための注意点を整理しました。

作業工程傷を防ぐコツ注意点
掘り取り株ごと大きく持ち上げる外側から掘り進める
土を払う手でやさしく払い落とす強く叩かない
子芋を外す無理に引っ張らず自然に外す力を入れすぎない
大量収穫時道具で軽く叩いて外す加減を誤ると傷になる

このように、収穫時には「力任せに扱わない」ことが最も重要です。

丁寧に扱えば、そのまま長期保存にもつなげることができ、料理でも美味しさをしっかり楽しめます。

収穫日に気をつけたい天気や土の状態

里芋の収穫は「いつ掘るか」だけでなく、「どんな天気の日に掘るか」も大切なポイントです。

天候や土の状態を無視すると、芋に泥がこびりついたり、収穫後の保存性が悪くなったりするため、注意しておく必要があります。

最も適した収穫日は 晴天が続いた乾いた日 です。

土が湿っていると掘り上げた芋に泥が固着し、乾かすのに時間がかかります。

さらに、湿ったまま保存すると腐敗が進みやすくなるため、晴れの日を狙って収穫するのが理想です。

雨の翌日や土がぬかるんでいる状態での収穫は避けたほうが良いでしょう。

また、収穫後には「風通しの良い場所で乾かす」ことが欠かせません。

家庭菜園の場合は半日から1日ほど日陰で風乾させるだけでも効果があります。

農業指導書では2〜3日かけてしっかり乾燥させる方法も紹介されていますが、小規模栽培なら軽く乾かす程度でも十分です。

以下に、収穫日に注意したいポイントを整理しました。

天気・土の状態適性注意点
晴天が続いた日◎ 最適土が乾いて掘りやすい
曇りの日○ 可能収穫後は必ず風乾する
雨の翌日△ 推奨しない土が重く、泥が付きやすい
長雨や湿った状態× 不適保存性が悪く、腐敗リスク増

このように、天候と土の状態を見極めることは、里芋を長持ちさせるために欠かせません。

「晴れた日に収穫し、すぐに乾かす」というシンプルな流れを守ることで、失敗を防ぐことができます。

里芋収穫のコツと保存方法:まとめ

里芋は育てるのは比較的容易ですが、収穫のタイミングや方法を誤るとせっかくの苦労が水の泡になってしまいます。

本記事では、家庭菜園初心者でも失敗しないための基本を整理しました。改めて重要なポイントをまとめます。

  • 収穫時期の目安は葉や茎の変化
    青々とした葉が黄変し、茎が半分以上枯れた頃が収穫適期。霜に当たる前に必ず掘り上げること。

  • 地域や植え付け時期による違い
    暖地では9月下旬から、寒冷地では11月以降が目安。植え付けから150〜180日を参考に。

  • 株ごと掘り上げるのが基本
    周囲30cmから道具を入れ、株を丸ごと持ち上げると芋を傷つけにくい。

  • 葉や茎は事前に刈り取り
    地際から4〜5cm残して刈ることで、株を持ちやすく作業効率も向上。

  • 収穫日は晴天が最適
    土が乾いた日に収穫し、掘り上げた後は風通しの良い日陰で乾かす。

  • 保存は土付きのまま冷暗所で
    最適条件は7〜10℃、湿度85〜90%。5℃以下は低温障害の原因となる。

このように、里芋の収穫では「時期・方法・保存」の三点を押さえることが大切です。

丁寧に収穫して正しく保存すれば、長期間美味しい里芋を楽しめるだけでなく、翌年の種芋としても活用できます。

家庭菜園初心者の方も、ぜひ本記事のポイントを実践してみてください。

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