家庭菜園で人気の高い作物のひとつであるとうもろこしですが、「6月に種まきできるとうもろこしの品種はあるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実は6月でも、品種選びや栽培管理のポイントを押さえることで、美味しいとうもろこしの収穫は十分に可能です。
本記事では、遅まきに適したおすすめ品種や、失敗しない栽培のコツをわかりやすくご紹介します。6月からでもチャレンジできる家庭菜園の楽しみ方を、ぜひチェックしてみてください。
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♧各品種の特徴や育てやすさの違い
♧6月播種に適した土作りや環境条件
♧栽培時に注意すべきポイント(害虫対策・水やり等)
♧収穫までの期間とスケジュール感
6月に種まきできるとうもろこしの品種と栽培の基本
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♧とうもろこしの遅まきに適した品種と特徴
♧6月の種まきに最適な気候条件と土作り
♧6月に栽培するとうもろこしの注意点とは?
♧6月播種でも収穫成功する育て方のコツ
6月に種まきできるとうもろこしの品種とは?
6月は一般的にとうもろこしの栽培には遅めの時期とされがちですが、適した品種を選べば問題なく育てられる時期でもあります。
特に家庭菜園では、遅まき対応の品種を活用することで、夏から初秋にかけての収穫を目指すことが可能です。ここでは、6月の播種に適した代表的な品種をいくつか紹介し、その特徴をわかりやすく解説していきます。
まず注目したいのが「ゴールドラッシュ」という品種です。この品種は発芽が安定しており、甘みが強く、粒皮が柔らかいのが特長です。
6月播種でも安定して育ちやすく、約80日前後で収穫できる中早生種であることから、家庭菜園初心者にもおすすめされています。
次におすすめするのが「おおもの」という品種で、これはその名の通り果実が非常に大きくなる傾向があります。
平均して500gを超える実が収穫できるため、育てがいがあります。また、草丈が高く生育旺盛なので、十分な日当たりと風通しの良い場所が栽培には適しています。
また、「しあわせコーン88」という比較的新しい品種も6月播種に適しており、抑制栽培にも向いているとされています。こちらは生育日数が短く、約75日程度で収穫が見込める超早生タイプで、短期間で成果を求めたい方にぴったりです。
品種選びの際は、地域の気候条件や栽培スペース、さらに日照時間なども考慮することが重要です。6月の気温は比較的安定している反面、梅雨の影響で湿度が高くなるため、排水性の良い土壌や高畝での栽培が効果的とされています。
以上のように、6月でもしっかり品種を選べばとうもろこしの栽培は十分に可能です。特にゴールドラッシュやおおもの、しあわせコーン88のような中〜早生種を選ぶことで、収穫時期をうまく調整できます。
🌽 6月の種まきにおすすめのとうもろこし品種比較表
| 品種名 | タイプ | 収穫までの日数 | 特徴・メリット | 適した栽培環境 |
|---|---|---|---|---|
| ゴールドラッシュ | 中早生 | 約80日 | 甘みが強く、粒皮が柔らかい。発芽が安定。家庭菜園初心者にも◎ | 日当たりと排水性が良い場所 |
| おおもの | 中早生〜中晩生 | 約85〜90日 | 果実が大きくボリューム満点。草丈が高く生育旺盛 | 風通しが良く広めのスペース |
| しあわせコーン88 | 超早生 | 約75日 | 生育が早く、抑制栽培にも対応。甘くて柔らかい | 地温が確保できる日照地帯 |
とうもろこしの遅まきに適した品種と特徴
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6月以降のとうもろこし栽培、いわゆる「遅まき」には通常の品種ではなく、短期間で収穫できる早生・超早生品種を選ぶことが大切です。
遅まきに適した品種は、生育期間が短いだけでなく、夏の高温や梅雨の影響にも強いという特徴を持っています。ここでは、家庭菜園でも育てやすい遅まき対応のとうもろこし品種とその特徴について詳しくご紹介します。
まずおすすめしたいのが、「ミルキースイーツ86」という品種です。
こちらは発芽から収穫まで約86日と短く、糖度が高く粒皮も柔らかいのが特徴です。特に夏の暑さに強く、遅まきでもしっかりと実を太らせてくれるため、家庭菜園ではリピート栽培されることも多い人気の品種です。
次に注目すべきは、「しあわせコーン88」
前述でも触れましたが、この品種は遅まきにも特化しており、生育スピードが非常に早いため、8月中旬までに種をまいても、10月上旬には収穫が可能です。味も甘く、調理後もシャキッとした食感が残るため、家庭用の食卓でも重宝されます。
さらに、「キャンベラ90」という品種も見逃せません。
この品種は特に高温期での栽培に強く、草丈が低めで管理しやすい点が家庭菜園向きです。粒ぞろいも良く、品質が安定しているため、初心者でも育てやすいのが魅力です。
遅まき栽培では、発芽のタイミングがやや遅れる傾向があるため、発芽促進のために地温をしっかり確保することが重要です。
マルチングや地温が上がりやすい黒マルチの活用は、遅まき成功の鍵となります。また、追肥のタイミングにも注意が必要で、過剰に与えると徒長してしまうリスクもあるため、計画的な施肥を心がけると良いでしょう。
このように、遅まきでも対応可能な品種を選び、適切な栽培管理を行えば、6月以降でもおいしいとうもろこしを楽しむことができます。
🌽 遅まきに適したとうもろこし品種比較表(6月以降)
| 品種名 | タイプ | 収穫までの日数 | 特徴・メリット | 適した環境/ポイント |
|---|---|---|---|---|
| ミルキースイーツ86 | 早生 | 約86日 | 糖度が高く粒皮がやわらかい。暑さに強く実付き良好 | 夏の高温期でもしっかり実が太る |
| しあわせコーン88 | 超早生 | 約75〜80日 | 生育が非常に早く、遅まき・抑制栽培に最適 | 8月中旬までの播種で10月収穫可能 |
| キャンベラ90 | 超早生 | 約90日 | 草丈が低く、倒れにくい。病害虫にも強く初心者向け | 管理しやすく、家庭菜園に適した構造 |
6月の種まきに最適な気候条件と土作り
6月はとうもろこしの「遅まき」のタイミングとして注目される時期ですが、栽培成功のカギを握るのは気候条件と土作りです。
梅雨の影響で湿度が高くなる6月は、適切な環境を整えなければ発芽不良や根腐れなどのトラブルにつながりやすいため、栽培の準備段階から丁寧な対応が必要です。
とうもろこしは地温が20℃以上になることで安定して発芽するため、6月でも冷え込みのある地域では地温の確保が最優先です。
そのため、地面を温める効果がある黒マルチを敷いたり、太陽熱で地表を温めておく「太陽熱処理」を活用することで、発芽率を高めることができます。
また、とうもろこしは湿気を嫌う野菜であるため、排水性の悪い土壌では高畝(たかうね)栽培が推奨されます。雨が多くなる時期に水はけの悪い環境では根が腐りやすく、生育が著しく悪化する恐れがあるからです。
最低でも20cm程度の高畝に整地することで、水はけを確保しながら、根の健全な成長を促すことができます。
土壌のpHにも注意が必要で、とうもろこしは弱酸性から中性(pH6.0〜6.5)の土壌を好みます。土壌が酸性に傾いている場合には苦土石灰を施し、酸度を調整してから種まきを行うと発芽と成長がスムーズになります。
肥料に関しては、元肥に窒素・リン酸・カリの三要素をバランス良く含んだ緩効性肥料を用い、追肥のタイミングを正しく見極めることがポイントです。
特に、草丈が30cmを超えたあたりで追肥を一度与えることで、実の太りが良くなります。
さらに、風通しと日当たりの確保も重要です。とうもろこしは光を好むため、遮るものがない場所を選ぶとともに、栽培本数が多い場合は条間を60cm以上確保することで、風通しの良い環境を作り出すことができます。
このように、6月の栽培では気温・湿度・土壌状態の3つを意識しながら準備を進めることで、遅まきでも十分な収穫が期待できます。
6月に栽培するとうもろこしの注意点とは?
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6月にとうもろこしを栽培する際は、春まきとは異なる気象条件や栽培環境の変化に応じた注意点をしっかり把握しておく必要があります。
梅雨時期の高湿度、気温の上昇、病害虫の発生リスクなどが重なり、ちょっとした油断が失敗につながりかねません。ここでは、家庭菜園で6月栽培を成功させるために気を付けたいポイントを詳しく解説します。
まず最も注意すべきは多湿による根腐れや病気のリスクです。
とうもろこしは乾燥にはある程度強いですが、過湿には非常に弱く、梅雨時期の雨が続くと根の酸素不足により根腐れを起こしやすくなります。
前述のように排水性の良い土壌や高畝栽培を取り入れることで、根の健康を守ることができます。
また、6月は急激に気温が上がることから、アワノメイガやヨトウムシなどの害虫が活発になる時期でもあります。
これらの害虫はとうもろこしの穂先や茎内部に侵入して食害するため、早期の防除が必要です。特にアワノメイガは、雌穂が出始める頃(雄穂が出る数日前)に防虫ネットを設置するか、予防的に農薬を使うことで被害を最小限に抑えることができます。
加えて、受粉のタイミングと方法にも注意が必要です。
とうもろこしは風媒花であり、風による花粉の移動が収穫量に直結します。しかし、風が少ない日が続いたり密植栽培になってしまうと受粉不良が起こりやすく、実がまばらになる原因になります。
そのため、1日に1回手で穂先を軽く揺らして人工的に受粉を促す「人工授粉」を取り入れると、実付きが安定します。
さらに、6月以降は日照時間が長く気温も高いため、水切れにも注意が必要です。特に開花期から結実期にかけて水分が不足すると実が小さくなるため、朝と夕方にしっかりと水を与えることが大切です。
これらの注意点を押さえれば、6月のとうもろこし栽培でも収穫の成功率を高めることが可能です。湿度管理、害虫対策、受粉補助、水やりの4点を意識することが、6月栽培成功へのカギとなります。
6月播種でも収穫成功する育て方のコツ
とうもろこしの種まきは春が一般的ですが、6月の播種でも育て方を工夫すればしっかりと収穫に結びつけることができます。ここでは、6月に種をまく場合でも失敗しないための育て方のコツを順を追って紹介します。
まず重要なのが品種選びです。
6月に種をまく場合、収穫時期が夏の終わりから初秋にかけてになるため、生育日数が短い「早生(わせ)」または「超早生(ちょうわせ)」品種を選ぶことが成功の第一歩です。
代表的な例としては「しあわせコーン88」や「ゴールドラッシュ」などがあり、いずれも約75〜85日で収穫が可能なため、6月播種にもぴったりです。
次に大切なのが播種方法と間引きです。
種は1か所に3粒ほどまき、発芽後は一番元気な1本を残して他を間引きます。間引きを怠ると株が混み合い、風通しが悪くなり病害虫が発生しやすくなるため注意が必要です。条間は60cm程度確保し、1列に並べることで光合成がしっかりと行えるようにしましょう。
また、6月は気温が高く乾燥もしやすいため、発芽から生育初期にかけての水管理が重要です。特に乾燥が続くと根の伸びが鈍り、茎が細くなり実の入りも悪くなります。
朝・夕の水やりを徹底し、特に開花期から収穫期にかけての水切れは絶対に避けましょう。
施肥のタイミングも成功の鍵となります。元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込み、草丈が30〜40cmに達した頃と、雄穂が出る直前に追肥を行うことで、とうもろこしの生育がぐんと安定します。追肥の際は株元から少し離れた場所に肥料をまき、軽く土と混ぜておくと効果的です。
さらに、人工授粉の活用も6月栽培の成功率を高めます。とうもろこしは風による自然受粉が基本ですが、気候や立地によっては不十分になることもあります。
雄穂が出たタイミングで、花粉を雌穂(ヒゲ)部分に手で振りかけるようにして授粉を補助することで、実入りが格段に良くなります。
このように、6月の播種でも、品種選び・水管理・施肥・間引き・人工授粉といった基本を丁寧に守れば、しっかりと甘くて美味しいとうもろこしを育てることができます。
ちょっとしたコツを実践するだけで、夏の終わりに収穫の喜びを味わうことができるでしょう。
🌽 6月播種でも成功する!育て方のコツ一覧表
| 項目 | ポイント内容 | 目的・効果 | 注意点・補足 |
|---|---|---|---|
| 品種選び | 早生・超早生タイプ(例:しあわせコーン88、ゴールドラッシュ) | 短期間での収穫を目指す | 収穫時期が遅れると気温低下で失敗リスク増 |
| 播種と間引き | 1か所3粒まき→発芽後1本に間引く/条間は60cm以上 | 通気性・採光性を高めて病害を防ぐ | 混みすぎると受粉不良や病害虫の原因に |
| 水やり管理 | 発芽~収穫まで朝夕にたっぷり水やり | 根張り強化と実の肥大を促進 | 開花期〜結実期の水切れは厳禁 |
| 施肥のタイミング | 元肥+草丈30~40cm時と雄穂前の2回追肥 | 肥料切れを防ぎ、実入りを良くする | 肥料過多は「葉ボケ」につながるので注意 |
| 人工授粉 | 雄穂の花粉を雌穂(ヒゲ)に手で振りかける | 実入りを均一にし、収穫量を安定させる | 風が少ない地域や少量栽培では特に効果的 |
6月以外に種まきできるとうもろこしの品種と応用知識
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♧トウモロコシの抑制栽培に向いた品種とは?
♧8月に種まきできるトウモロコシ品種と成功のポイント
♧とうもろこし栽培でよくある失敗例と対策
♧秋に育てたい!おすすめ秋トウモロコシ品種
♧まとめ
とうもろこしの種まき時期による品種の違い
とうもろこしは種まきの時期によって選ぶべき品種が異なり、その選定が収穫の成否を大きく左右します。
気温や日照時間、病害虫の発生リスクなどが時期ごとに変化するため、それぞれの環境に合った品種を選ぶことが栽培成功のカギとなります。ここでは、時期別におすすめの品種とその特性を詳しく解説します。
まず、春(4月中旬〜5月中旬)に種をまく場合は、発芽に必要な地温(15〜20℃)が確保されやすいため、中早生〜中晩生の品種が適しています。
代表的な品種には「ピーターコーン」や「サニーショコラ」などがあり、いずれも80〜90日程度で収穫可能。春まきは日照時間が長く、安定した生育が見込めるため、家庭菜園でも育てやすい時期です。
次に、6月以降の遅まきに向いているのが、早生〜超早生品種です。前述した「しあわせコーン88」や「ゴールドラッシュ」、そして「キャンベラ90」などは生育期間が短く、日照が強い盛夏に短期間で生育を終えられることから、栽培のリスクを減らすことができます。
この時期は梅雨の影響もあり、湿気や病害虫に注意が必要となるため、早く収穫できる品種が理想的です。
さらに、秋まき(8月中旬〜下旬)には限られた品種しか対応できませんが、「ゆめのコーン」や「しあわせコーン88」のような超早生品種は、抑制栽培(成長時期を意図的にずらす技術)に適しており、10月上旬〜中旬には収穫が可能です。
ただし、日照時間が短くなることや夜温の低下もあるため、栽培には保温や防虫対策が必要です。
下記の表に、時期別のおすすめ品種と特徴をまとめました。
| 種まき時期 | おすすめ品種 | 特徴 |
|---|---|---|
| 春まき | ピーターコーン | 中早生、安定した収穫が期待 |
| 春まき | サニーショコラ | 糖度が高く粒皮がやわらかい |
| 6月〜遅まき | ゴールドラッシュ | 生育早い、甘みが強い |
| 6月〜遅まき | キャンベラ90 | 高温期に強く初心者向け |
| 秋まき | ゆめのコーン | 超早生で10月収穫が可能 |
このように、種まき時期に応じた品種選びは、とうもろこしの味・収穫量・病害リスクすべてに関わる非常に重要なポイントです。
初心者の方は、自身の住む地域の気候や栽培スケジュールに合わせて、最適な品種を選ぶよう心がけましょう。
トウモロコシの抑制栽培に向いた品種とは?
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「抑制栽培」とは、通常の時期よりも遅らせて栽培を行う方法で、トウモロコシの場合は夏の終わりから秋にかけての収穫を目指す技術です。
暑さのピークを過ぎた時期に収穫できることから、病害虫のリスクが減り、家庭菜園でも挑戦しやすい方法として近年注目されています。
ただし、品種選びを間違えると成長が追いつかず収穫に至らないこともあるため、抑制栽培に適した品種選びが重要です。
抑制栽培では、生育期間が短く、暑さや日照条件に強い品種を選ぶことが大前提となります。中でもおすすめなのが、「しあわせコーン88」という品種です。
この品種は生育日数が75〜80日と非常に短く、8月中旬に種をまいても10月初旬には収穫が可能です。また、発芽や生育が比較的安定しており、初心者でも育てやすい点が魅力です。
次に紹介するのは、「ゆめのコーン」です。こちらも超早生タイプで、甘みが強く、粒皮が柔らかいため食味が良好です。抑制栽培で気を付けるべき日照不足や気温の低下にも比較的強く、秋の冷え込みにもある程度対応できる品種です。
さらに、「キャンベラ90」も抑制栽培に適しています。特にこの品種は高温環境でも安定して実が太り、病害にも比較的強いとされています。
草丈が低めで倒伏しにくいことも、台風の影響が心配される晩夏〜初秋の時期にはありがたい特徴といえるでしょう。
抑制栽培では、種まきの時期が非常にシビアになります。遅れると日照時間が足りず、収穫に間に合わなくなるため、目安としては8月10日までに播種を済ませることが理想です。
加えて、成長を促すためには肥料切れを防ぎつつ、適度な水分管理が欠かせません。
最後に、防虫対策は春や夏の栽培と同様に必要です。アワノメイガやヨトウムシといった害虫は秋にも発生するため、穂が出る時期にはネットや農薬による防除も検討するとよいでしょう。
このように、しあわせコーン88、ゆめのコーン、キャンベラ90のような早生・超早生タイプの品種を選び、タイミングと管理をしっかりと行えば、抑制栽培でも甘くて美味しいトウモロコシの収穫が可能になります。
秋に楽しむとうもろこし、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
8月に種まきできるトウモロコシ品種と成功のポイント
一般的にトウモロコシの種まき時期は春から初夏にかけてが主流ですが、8月の種まきでも適切な品種と管理を選べば、十分に収穫が可能です。
いわゆる「抑制栽培」と呼ばれるこの方法では、短期間で育ち、暑さや日照不足に対応できる品種を選ぶことが最重要ポイントとなります。
8月の播種に最も適しているのが、「しあわせコーン88」です。
この品種は生育期間が短く、約75〜80日で収穫に至る超早生種であり、8月上旬に播けば10月中旬には収穫可能です。また、比較的涼しくなる秋口でも甘みがしっかりとのるため、家庭菜園でも人気があります。
続いて紹介するのが「ゆめのコーン」という品種で、こちらも超早生タイプに分類され、甘みと粒皮の柔らかさが特長です。
草丈もあまり高くならないため、風が強くなる秋の気候でも倒れにくく、管理しやすいのがメリットです。
しかし、8月播種にはいくつかの特有のリスクと対策も必要です。まず一つ目は、気温の低下による発芽不良や生育遅れです。
播種時期が遅れるほど気温が下がるため、8月10日頃までに種をまくのが理想とされています。気温が不安定な場合は、黒マルチで地温を上げる工夫をすると効果的です。
二つ目のポイントは、日照時間の短さと秋の気温低下への対応です。これにより、光合成量が不足しがちになるため、窒素過多を避けた肥料管理が重要です。
葉ばかり育って実が入らない「葉ボケ」を防ぐために、リン酸とカリ分がしっかり含まれた肥料を使いましょう。
また、防虫対策も見逃せません。
アワノメイガは秋にも活動が活発になるため、雄穂が出始めたタイミングで防虫ネットや農薬を活用し、雌穂部分への侵入を防ぐことが大切です。
最後に、人工授粉の活用も重要な成功ポイントです。
8月以降は風が弱い日も多く、自然受粉が不十分になりやすいため、手作業での受粉を行うことで実入りを良くすることができます。
このように、品種選び・播種時期・肥料管理・防虫対策・人工授粉といった複数の要素をバランス良く取り入れることで、8月播種でもしっかりと実ったトウモロコシを収穫することができます。
初心者でもチャレンジしやすい季節栽培の一つとして、ぜひ挑戦してみてください。
とうもろこし栽培でよくある失敗例と対策
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とうもろこしの栽培は家庭菜園でも人気ですが、失敗しやすいポイントも多く、正しい知識と管理が不可欠です。
特に初心者に多い失敗には共通する傾向があるため、事前に理解しておくことで未然に防ぐことができます。ここでは、よくある失敗例とその具体的な対策を紹介します。
最も多いのが、実がうまく育たない「実入り不良」です。
原因は主に受粉不良によるもので、とうもろこしは風による受粉を前提とした作物のため、風通しが悪かったり、株の本数が少なかったりすると受粉がうまくいかず、粒がまばらな実になってしまいます。
これを防ぐためには、複数本まとめて栽培することと、人工授粉の実施が有効です。開花時に穂先を軽く振って、花粉を雌穂(ひげ)にかけるだけでも効果があります。
次に多いのが、害虫被害です。
特にアワノメイガやヨトウムシといった害虫は、とうもろこしの芯や穂先を食害するため、見た目も味も損なわれてしまいます。
対策としては、雄穂が出始めるタイミングでの防虫ネットの設置や、発生初期の薬剤散布が効果的です。無農薬で育てたい場合は、害虫の侵入経路となる穂先を不織布などで覆うという方法もあります。
また、水やりの失敗も見逃せないポイントです。
とうもろこしは乾燥に強いと思われがちですが、実の肥大期には多くの水分を必要とします。水不足のままでは、実が小さくなったり、皮が硬くなったりする原因になります。特に開花期〜収穫期にかけては朝と夕の水やりを欠かさず行うことが大切です。
肥料に関する失敗もありがちです。
元肥を入れすぎて窒素過多になると、葉ばかりが育って実がならない「葉ボケ」状態になります。逆に追肥が足りないと、成長途中で勢いが止まり実の入りが悪くなることも。
元肥は控えめにし、追肥を適切なタイミングで行うことが収穫成功の秘訣です。
最後に、倒伏(とうふく)=茎が倒れる現象にも注意が必要です。
背が高くなるとうもろこしは風の影響を受けやすいため、支柱を立てたり、株元に土寄せをして倒れにくくすると安定します。
このように、受粉不良・害虫・水管理・肥料過多・倒伏は初心者が陥りやすい失敗例ですが、事前に理解し、丁寧な管理を行えば十分に回避可能です。
失敗を恐れず、ポイントを押さえて挑戦することで、美味しいとうもろこしの収穫に近づくことができます。
秋に育てたい!おすすめ秋トウモロコシ品種
「とうもろこし=夏の野菜」というイメージが一般的ですが、適切な品種と栽培管理を選べば、秋でも美味しいとうもろこしを収穫することができます。
実際、8月に種まきを行い、10月ごろに収穫を迎える「秋どりトウモロコシ」の人気は年々高まっています。ここでは、家庭菜園でも栽培しやすい秋向けのおすすめ品種と、その特徴を紹介します。
まず第一におすすめしたいのが、「しあわせコーン88」です。この品種は生育期間が短い超早生タイプで、播種から約75〜80日で収穫が可能なため、8月中旬までの播種であれば10月上旬にはしっかりとした実をつけます。糖度が高く、食感も良いので家庭用にぴったりの品種です。
次に紹介するのは、「ゆめのコーン」。こちらも早生〜超早生タイプで、粒皮が柔らかく、加熱してもシャキッとした歯ごたえが残ることから、サラダやスープなど幅広い料理に使える品種です。
秋の冷え込みにも強く、気温の低下にも比較的対応しやすいため、秋栽培でも安心です。
また、「キャンベラ90」は、高温期の栽培に強いだけでなく、秋の不安定な気象条件でも生育が安定しやすいことから、初心者にもおすすめの品種です。
草丈がやや低めで倒伏しにくいため、秋の台風シーズンにも強いというメリットがあります。
さらに注目したいのが、タキイ種苗の「味来(みらい)シリーズ」です。中でも「味来85」は約85日で収穫できる中早生タイプで、甘みが強く、生でも食べられるほどジューシーな食味が特長です。
秋まきにも対応しやすく、家庭菜園での人気も高まっています。
ただし、秋の栽培は日照時間が徐々に短くなり、気温も下がることから、生育に時間がかかる可能性があります。
そのため、8月中旬までに播種を完了し、地温の確保・防虫対策・適切な追肥などを丁寧に行うことが、成功のポイントです。
このように、秋でも「しあわせコーン88」「ゆめのコーン」「キャンベラ90」「味来85」といった品種を使えば、しっかりとした実のとうもろこしを収穫することが可能です。
夏とはひと味違う秋どりとうもろこし、ぜひ家庭菜園の新しい楽しみ方として取り入れてみてはいかがでしょうか。
6月に種まきできるとうもろこしの品種:まとめ
6月は遅まきの時期にあたるが、早生・超早生品種を選べば栽培可能
「ゴールドラッシュ」は甘みが強く、家庭菜園初心者にも適した中早生種
「おおもの」は実が大きく育ち、生育旺盛なため広いスペースが必要
「しあわせコーン88」は生育期間が短く、抑制栽培にも対応できる
「ミルキースイーツ86」は暑さに強く、糖度が高い早生品種
「キャンベラ90」は草丈が低く管理がしやすく、病害虫にも強い
地温確保のため黒マルチや高畝栽培が推奨される
間引きや条間確保により風通しを良くして病害虫を防ぐ
朝夕の水やりを徹底し、開花期〜収穫期の水切れに注意する
追肥は草丈30〜40cmと雄穂出穂前の2回に分けて行う
受粉不良対策として人工授粉を取り入れると実付きが安定する
害虫防除として雄穂出現前に防虫ネットや農薬を用いると効果的
スナップエンドウへの肥料種類:実践法と注意点を徹底解説します
🔍 参考文献・参考サイト一覧
タキイ種苗株式会社 公式サイト
https://www.takii.co.jp/
→ ゴールドラッシュ、しあわせコーン88、キャンベラ90、味来85 など品種情報、栽培スケジュール、播種時期別の特徴を参照サカタのタネ 公式サイト
https://www.sakataseed.co.jp/
→ ゆめのコーン、ピーターコーンなどの商品詳細および生育日数、栽培カレンダーを参考農研機構(NARO) 野菜茶業研究所
→ トウモロコシ栽培における病害虫防除・受粉管理・抑制栽培技術に関する資料を参照JA全農 農業情報サイト「みんなの農業広場」
https://www.jeinou.com/
→ 家庭菜園でのトウモロコシ栽培に関するQ&Aや失敗例・注意点を確認園芸通信 by タキイ種苗(家庭菜園向けメディア)
→ 初心者向けに整理されたトウモロコシ栽培手順や時期別アドバイスを参考農林水産省「病害虫発生予報」サイト
→ アワノメイガやヨトウムシなどの発生傾向・防除タイミングに関する情報

